節約料理は〃愛"の料理

中国へ旅をしたときのことです。
広い畑に見事な野菜が植えてありました。立派なお野菜だこと」思わず口ずさみますと、親しくなった案内人が、声をひそめて言いました。
「これは農薬いっぱい使ってある。中国の子供は学校で農薬のおそろしさを小さい時から教えられているので誰も食べないよ.これらはみな輸出してしまう。日本へもたくさん輸出されているよ。日本人、きれいで立派な野菜大好きだから-…」
私はぞっとしました。この言葉を日本のお母さん達に聞かせたい。中国だけではなく他の国でも、これと同じようなことを聞いたことがあります。何も知らずにこのおそろしい食品を食べている日本の子供達の将来が案じられてなりません。

私がケチ生沽をするのは、お金が惜しいからではありません。物を大事にしてできるだけゴミをHさないようにして、地球を守りたいからなのです。水を大事にしたい、空気を大事にしたい、山を大事にしたい。
これらはみんなケチをしなければ、いいえ言葉を改めましょう、
つつましく生きなければ叶わぬことだと思います。つつましい生き方とは、心にいつも愛をふくらませて生きていくことではないでしょうか。

心に愛があれば、同じ農薬野菜を食べなければならないときでも、体に与える影響がずいぶん違うと思います、、愛の心のふくらんだお母さんは、かかっているかもしれない農薬の野菜を手にしたとき、なんとか洗い流してしまいたいと思って、タワシでゴシゴシこするでしょう。それでもまだ心配で、薄い酢水を作ってその中に浸けてみたりします。そして、「どうか体に悪い影響を与えませんように、元気に育ちますように」と祈りながら料理を作ります。機械で大量生産された食品とは、わけが違います。
心を込めた料珊は、愛の香りが感じられます。愛しい家族のために、愛を込めた料理を作りましょう。人は食品の中の温かな愛をいただいて育つのです。
この歳になってケチは愛から生まれたものと知りました。
この木には、私の初めての本、「食って遊んでまだ残る」と、『玄米クッキング」のなかからも抜粋しました、、
どうぞ、この『超節約クッキング」を本箱ではなく台所に置いて可愛がってやって下さいませ。そうしますと、必ず、エンゲル係数を下げてくれます。そしてあなたはもう家計簿とにらめっこする必要がなくなることでしょう。

CHAPTER1
小幡流〈粗食〉のすすめ
小幡流・粗食哲学
@ ロハのものを探せ
A まとめ買いをする
B ケチるのではなく始末をよくするのだ
C なるべく買わない、すると知恵が湧く
D 窓辺で白家製野菜のすすめ
E 料理は元から作ろう
F 台所は発見、研究、発明の場
G 献立は臨機応変に
H 家庭料理に徹しよ
I 手作りに勝るおいしさはなし
小幡玻矢子著「超節約クッキング」より

枠な暮らしで厄払い-一

粋という字をばらしてみると、米と卆、八十八と九十。そうなんス、
88と90って事なんで、その問89がないんスよ。わっかるっかなあ?粋な暮らしをやってるってえと、89がないの。ヤクがない=厄払いになるって事なんスよ。
いや、まあ、その〜、こじつけなんスけどね。でもね、昨今はやりの節約だ、倹約だ、なんちゅうより、「粋」な暮らし方ってほうが、その〜、何だ〜、粋やないですかあ。だって、スーパーの買物袋はゴミがふえるから、自分のバッグを持って行って、スーパー袋はもらわないようにするのがエコロジーで-す、ち言われれるより、「スーパーのシャカシャカ音ンするあの袋、そう、あいつをさげて歩くなんざ、野暮でござんすね。あっしなんざ、風呂敷をね、こんな貝合におっびろげてさ、このはじとはじをちょいとむすんで、お、つ、ここに人れてくんなっ、てなもんですよ。のほうが気分ええと思わんでしょか?
                    
魚柄仁之助「食べ暮らしダイエット」より

暮らしの中の減量から

太りすぎになっとらんですかあ?贅肉つきすぎて身動きもとれんようになつとりませんかあ?
 いや、なに、体の事ばっかりやないですよ。肥満体を細身にするのもダィエツトですが、生活そのもののダイエットちゅうのも必要な時代やと思わんですか。
 この半世紀、日本はえらい勢いで工業化し、三十年前は高級品やった車も今じゃ一人一台ですまし顔しとります。その豊かさをささえるために、えろうぎょうさんのエネルギーを使い、木を切り倒し、魚をとりまくり、水や空気をどんどこ汚しまくってきたわけですわ。それを今になって「温暖化防止会議」しとるんやもん、何やら「罪ほろぼし」としか思えんような気がするですよ。案の定、1997年12月の京都会議にしたって、たいした成果ありゃせんように思わんですか?
 人問は一度便利さを手に入れ生活水準が上がると、それを元にもどすのはなかなかむずかしいようです。だから車に乗る回数を減らそうとか、冷房設定温度を、一度上げようってな事言われても、なかなか実践できんのが現実ってなもんなんでしょね。
 でもネ、ムりしてガマンして資源を大切に!なんて事やらんでも、ちょいとした工夫
ひとつでガスも電気も大幅に節約できるし、本当にムダのない生活ができるもんなんですわ。いや本当ですって。だってえ、あたしゃここ十年以上、食費は一カ月7千〜9干円だし、ガスや電気も二人暮らしで一カ月2干円台ですもん。
 と言うても、南海の孤島でロビンソン・クルーソーしとるんとちがいますよ。束京の
白金に住んでこの金額・占道具屋を誓したり、食生活の本を書いたり、自分のやりたい事ばっかりやって生きとるですよ。自分のやりたい事を思いつきりやれるだけの時問を自由に使える、これこそ本当の意味での「豊かさ」やないでしよか。
 今の時代、「物」があふれちょります。あまりぎようさんの物にかこまれて、なーん
も見えんごとなっとりゃせんですか。ここらで暮らしをダィエツーせんとカツコワルイ
ですよ。
 この本では、より豊かな生活を求めての暮らしダイエットをとりあげてみようと思つとります。それも能書きでなく、台所レベル、やりくりレベルの目線で、笑いながら実践できる暮らしダイエットってのはいかがでしょ。
 この一冊で、おなかの贅肉と生活のムダがとれてますよう祈つとります。

新ことわざ「衣・食・住にもダイエットあり」
魚柄仁之助著「食べ暮らしダイエット」文芸春秋刊