もっと便利に、もっと快適に・・・沢山の“もっと”を追いかけているうちに、私達のまわりから懐かしい景色や暮らしがどんどん失われてきました。
野の花に足を止め、風の音を聴き、星空に悠久の時を感じる・・・そんな心豊かな時間や、空気を胸いっぱいに吸い、美味しいお水を飲み、新鮮な野菜を食べていれば大丈夫、という存在への確かさのある社会であって欲しい、生きとし生けるもの全てのいのちが活かされる社会を創る一助でありたい。平和も、今ここで、今ここから、あなたと私の間から始まるもの。小さな一歩を一緒に進めていく仲間と出会いたい、そんな願いからEco−Branch(エコ・ブランチ)は3年前生まれました。Eco−Branchの名前はオーストラリア人の友人がつけてくれた持続可能なコミュニティを広げていくという願いを込めた名前です。

 ところで、会社の本業は創業来55年の電熱線・ステンレス線の加工商社です。結婚当初(24年前)主人(現社長)はゴールデンウィークから11月の勤労感謝の日まで12時前に帰宅する日は片手で足りるほどでした。無理な納期、注文量が多いから、円高だから、バブルがはじけたから、さまざまな理由での年中行事のような値引き交渉。初めて知ったピラミッド型の経済システムに、黒字で世界から叩かれるほどの日本経済の成長を支えているのはパートさんや内職さん、零細下請け会社なのだなぁとつくづく思いました。
 我が家の電気製品はちっとも壊れず10年、15年と使えるのに、毎年モデルチェンジで何万台と作られる新製品。購買欲をそそりエネルギーのムダ使いで成り立つような経済は早晩行き詰まるのではないかと思いました。特にバブルの頃の皆が浮き足立っている様子には怖さを覚え、はじけた時はこれで地に足がついた生活に戻るのではと正直ほっとしました。

 もっと自分らしく生きたいと願い、それぞれの人が自分の花が咲かせられるような、いのちが活かされる社会になるにはどうしたら良いのか、あれこれ模索する中で、人の価値観が変わらなければ社会は変わらないという思いに至りました。当時立ち上がったばかりのホリスティックライフ・ネットワークの中部事務局を皮切りに個人的に講演会、セミナー、ワークショップ、ライブ等、価値観が変わるのに大切と思えるような企画をしてきました。そんな中で会社は仮の姿で個人の活動が自分というあり方が、本音と建前の使い分けをしているようで段々苦しくなり、自分自身の中が統合されなければ外に平和な世界を築くことはできないのではないかと行き詰ってきました。

 そんな折、潟ーテックジャポンの吉田又康社長とお目にかかりました。子供の頃泳いだ川がヘドロの川に変わっていたショックから脱サラし、川をきれいにしたい一心で畑違いの洗剤開発に着手され、世界中の自然洗剤を集めて研究した結果、松の樹液100%の液体自然洗剤「地球家族」を開発されたお話を伺い、是非販売させて頂きたいとお願いした事が環境事業部エコ・ブランチの始まりです。
 吉田社長の開発理念は自然界の知られていない働きを発見して開発するというもので松の洗剤をはじめ、大豆の抗菌・消臭剤、わさびの鮮度保持剤他全て自然素材の安全・安心なものばかりです。

 そして私たちは吉田社長の精神を受け継ぎ、もっと使い易く、もっと環境の負荷を減らせる方法はないものかと考え、食器用、洗濯用とあれこれ揃えなくても、ひとつで自分の好みで薄めて何にでも使える「多用途濃縮洗剤」を開発する事にしました。普通新しい商品を開発するのはその会社の人たちです。ところがこの多用途洗剤は「地球家族」ファンの人も交え「ああでもない、こうでもない」と議論を重ね、実験を重ねて生まれました。
 余分な容器を置かなくて済み、濃度を濃くして長持ちで運送コスト、輸送エネルギーを減らす事ができ、かつ容器をゴミにしたくない、量り売りをしたいという想いから、中身がなくなるとぺちゃんこになる「ハジーバッグ」というフィルム製の袋容器を採用し、無くなったら送り返して頂き中身を詰めて返送するという方法にたどりつきました。
通信販売の場合お客様とのコミュニケーションが取りにくいのですが、この詰め替え方式ではお客様と自然な形でコミュニケーションがとれる事がとても嬉しいです。

 そして一昨年、長年微生物と水の研究をされてこられ「微生物様は神様です」と仰る平井孝志先生とも御縁でお目にかかり、宇宙の摂理に基づく原点技術のお話に感動し、開発商品である多元素ミネラル入りバスパウダー、化粧石けんと微生物入り粉石鹸も扱わせて頂く様になりました。肌がきれいになるだけでなく、使っているうちに配水管もきれいになり、臭いもなくなり、生活周りから化学物質が消えました。安全なものを使っている安心感、余分な物のいらない暮らしは本当に心地良く、少しでも多くの方にお伝えしたいと思っています。

 7年前アメリカの心理学者ジョン・エンライト博士から『環境問題は心の問題で自然とのつながり、心とのつながりがない為、外に物や名声、お金を求める』と伺い、心に深く感じるものがありました。
 廃棄物処理やリサイクルも勿論大事なことで、それに対応した装置類の販売もしています。が、それ以上に大切なのは余分なエネルギーを使わない、ゴミを出さない、使い捨てしない事だと思います。日本には“もったいない”というすてきな言葉があります。自然への畏敬の念を持ち、人のいのちも、物のいのちも活かしきる、そんなライフスタイルに転換していくお手伝いと、商品を通じてコミュニケーションが弾み、人がつながる喜びに満ちた場を提供できる、そんな会社でありたいと願っています。
鶴田紀子